診療にかかる医療費は、病院やクリニック側からみると「診療に対する相応の報酬」となります。その報酬が適切に支払われるために、医療費は『診療報酬点数表』に基づいて計算するというルールがあります。この点数表には厚生労働省が定めた診療行為ごとの点数と、この点数を算定するための条件が記載されています。したがって、医療事務ではこの「条件」を正しく読み取ること(点数表の解釈)が求められます。これはコンピュータ処理であっても同じことで、全てをコンピュータ任せにはできない部分があり、オペレータが入力する・入力しないを判断する場面も多々あります。病院やクリニックの主な収入源は医療費の請求事務によるものなので、医療事務担当者には正しい解釈を元にした正しい点数が算定できる技能が求められますが、このような観点からもベテランの医療事務担当者はもっと評価されるべきと思います。
病院やクリニックが行う診療報酬の請求は「医療保険制度」という法律で定められた制度によって成り立っています。医療事務の根底にはいつもこの制度があることを理解し、まずは概要を把握してもらえるように解説していこうと思います。